研究課題
CREBHは肝臓、小腸にのみ発現する転写因子であり、栄養欠乏時にその発現が上昇する。肝臓、小腸は生体内エネルギー代謝に重要な臓器であることからも、CREBHがエネルギー代謝に寄与することが推測される。我々の現在までの解析により、CREBHが新たな生活習慣病治療薬の標的として着目されているホルモン、FGF21の発現を上昇させるともに、脂質異常症の標的である転写因子PPARαの活性も上昇させることが明らかになった。CREBHがFGF21の発現を上昇させる際、PPARαと結合し、さらにPPARαの共役因子であるPGC-1αとも結合し、3者で複合体を形成することを見出した。これら3者複合体はFGF21のプロモーター上で形成され、3者複合体形成により転写活性上昇を司ることを明らかにした。また、CREBHはPPARα以外にも脂質・コレステロール合成を制御する転写因子SREBPとも結合することを新たに見出した。この結合によりSREBPの転写活性を抑制することで、CREBHは脂肪酸・コレステロール合成を抑制することを見出した。以上のように、CREBHはPPARαおよびSREBPなどのような転写因子とクロストークすることにより、エネルギー代謝の恒常性を制御し、生活習慣病を改善する新たな因子であることを明らかにすることができた。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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