ヒトの子どもが他者との共同活動へと参加していく過程において、他者の行動にはそれを導くための具体的な目的や目標があり意図的なものであると理解する過程の重要性が指摘されてきた。本研究では、子どもが実際に他者の意図に出会う過程を明らかにするために、一組の母子による積木遊び場面の縦断的観察が行われた。その結果、共同活動の発達を支えるものとして、既に参加しているイベントへの気づきと、それを調整しようとする調製の重要性が示唆された。以上の分析を通して、理論的枠組みに「エンカウンター」の概念を導入することを提案した。
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