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2014 年度 実績報告書

高齢糖尿病者における転倒発生メカニズムの解明に向けた研究

研究課題

研究課題/領域番号 26882024
研究機関名古屋大学

研究代表者

上村 一貴  名古屋大学, 未来社会創造機構, 特任助教 (50735404)

研究期間 (年度) 2014-08-29 – 2016-03-31
キーワード転倒 / 糖尿病 / 姿勢調節 / 歩行開始 / 認知機能
研究実績の概要

本研究は高齢糖尿病患者の転倒発生メカニズムの解明に向け、中枢神経系による複雑な制御を要する歩行開始に着目した動作分析を行うことで、高齢糖尿病患者の姿勢調節能力と転倒リスクとの関連性を明らかにすることを目的としている。本年度の進捗状況として予備実験を完了してプロトコルを決定した後、対象者リクルートおよび実験を開始した。
現在までに地域在住高齢者181名の評価が完了している。課題は静止立位からのステップ(踏み出し)動作とし、前方のモニターに提示される視覚刺激(矢印)の示す方向にできるだけ速く一歩目を踏み出すように指示する。さらに、ステップ反応の速度・正確性に関する方向特異性を検討するため、踏み出す方向は前後左右の4方向とした。さらに、動作場面における注意・判断力を強調した評価のため、矢印の向きと反対方向に踏み出す「逆方向課題」を実施した。また、現在までに得られている測定データの横断的な解析から、姿勢調節能力の分析を行い、過去の転倒経験との関連性を検討した。
181名のうち、過去1年間で転倒経験を有するものは51名、糖尿病を有するものは26名であった。転倒者では、非転倒者に比較して逆方向課題の反応時間が遅延しており、統計的有意には至らなかったものの、後方向への踏み出しで特にその傾向がみられた(非転倒者1.04±0.23, 転倒者1.12±0.26; p=0.059)。今後、対象者数を増やして統計的パワーを高め、さらに詳細に解析を行っていく必要がある。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

平成26年度中に、予備実験が完了し、リクルートとベースライン評価を開始した。全体の対象者数は181名で、そのうち糖尿病を有する高齢者は26名であった。高齢糖尿病患者の目標症例数である60名に対して現在のところ、約43%となっており、当初のスケジュール通りに研究が遂行していることから、目標症例数の達成は可能と予測される。

今後の研究の推進方策

今後症例のリクルートを継続して実施し、高齢糖尿病患者の目標人数の60名に到達させるとともに、測定データの分析を並行して行うことで、高齢糖尿病患者で低下しやすい要素を明らかにし、高齢糖尿病患者のための転倒リスクアセスメントを確立する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2015

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] Analysis of choice stepping with visual interference can detect prolonged postural preparation in older adults with mild cognitive impairment at high risk of falling2015

    • 著者名/発表者名
      Uemura K, Hasegawa T, Tougou H, Takahashi S, Uchiyama Y
    • 雑誌名

      Dement Geriatr Cogn Disord

      巻: in press ページ: in press

    • DOI

      10.1159/000375408

URL: 

公開日: 2016-06-01  

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