研究課題/領域番号 |
26882026
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
天野 達郎 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 研究員 (60734522)
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研究期間 (年度) |
2014-08-29 – 2016-03-31
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キーワード | 体温調節 / 発汗量 / 皮膚血流量 / 間欠運動 / 熱中症 |
研究実績の概要 |
近年の夏の猛暑より,夏季スポーツ活動時の熱中症や運動パフォーマンス低下を予防するには実際のスポーツ形態を想定した体温調節の研究が不可欠になる.スポーツ場面で最もよく行われている運動形態の一つに,短時間の運動と休息・軽運動を長い時間繰り返す間欠運動がある(例:サッカー).この運動時には継続運動時よりも体温上昇が大きくなるため,特に高温下で行うと運動パフォーマンス低下や熱中症のリスクが高くなるが,間欠運動に関わる体温調節の研究には不明な点が多く残されている.本研究では,1)間欠運動時の体温調節特性,2)間欠運動時の熱放散に関わる発汗および皮膚血管拡張メカニズムに焦点を当てた. 平成26年度は,1)に関して,間欠運動時の体温調節反応の特性を検討するためのプロトコルを検討した.運動形態としてランニングと自転車運動を比較し,測定の容易さや先行研究との比較から,自転車運動を採用した.また,2)に関連して,安静温熱負荷時に筋代謝受容器活動を賦活させる実験を行った.具体的には,下肢温浴と水循環スーツを組み合わせた温熱負荷時に前腕部で筋代謝受容器活動を賦活させた.この時の熱放散反応が始まる深部体温閾値は,筋代謝受容器活動の賦活によって低下した.一方,末梢の感受性を示す発汗および皮膚血管拡張の傾きには条件間で差が見られなかった.これらのことより,間欠運動時に筋で蓄積する乳酸などの代謝産物が熱放散反応に及ぼす影響を間接的に明らかにすることができた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
球技などを含めて実際によく行われている運動はランニングであることから,ランニング時の熱放散反応から間欠運動時の体温調節特性の解明を試みた.しかし,ランニングでは身体の上下動が大きく,予想されていないノイズがみつかった.そのため,従来から行われているような自転車運動を用いるための予備実験を行った.このため,予定よりも計画に遅れがみられたが,遅れた分は次年度にまとめて実験する予定である.
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究は予定通り行うことができるため,間欠運動時の体温調節に関わる実験1および実験2を進めていきたいと考えている.
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