研究課題/領域番号 |
26882027
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研究機関 | 奈良先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
春田 牧人 奈良先端科学技術大学院大学, 物質創成科学研究科, 研究員 (40733663)
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研究期間 (年度) |
2014-08-29 – 2016-03-31
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キーワード | CMOSイメージセンサ / 脳機能イメージング / 脳血流計測 / オプトジェネティクス / 生体埋植デバイス / 多点光刺激 |
研究実績の概要 |
研究では、小型実験動物の頭部に埋植可能な小型脳機能計測・刺激双方向光デバイスを開発し、行動実験中の脳活動計測とオプトジェネティクス技術による脳活動光制御を実現する。本年度は、小型デバイスによる脳機能計測と多点光刺激デバイスによる能神経活動の制御に成功した。具体的な成果は以下の通りである。(1) 超小型CMOSイメージングデバイスによる脳機能イメージングに成功した。成体マウスの体重の1/100である重量0.2 gの超小型CMOSイメージングデバイスによるマウス大脳皮質一次体性感覚野の脳活動計測を行った。デバイスには波長535 nm(血中ヘモグロビンの吸光スペクトルのピーク波長)のLED光源が搭載されており、神経活動に伴って変化する脳内血流変化を光学的に計測した。in vivo 実験では、感覚刺激に応答する神経活動を計測することに成功した。なお、動物実験は奈良先端科学技術大学院大学動物実験の実地に関する規定に従って行った。(2)埋植可能な多点光刺激デバイスによる脳機能光制御を検証した。LEDアレイ(8×10個のLED、波長465 nm)を搭載した多点光刺激可能なデバイスを試作し、チャネルロドプシン2(ChR2)を発現した遺伝子組み換えマウスにおいて光刺激後の神経活動を電気生理学的に計測した。多点光刺激デバイスの光刺激によって誘発される神経細胞の電位変化を確認した。なお、多点光刺激デバイスにはイメージング機能が搭載されており、今後の展開として、光刺激用光源とは異なるイメージング用光源(波長535 nm)の搭載し、完全埋植条件下における脳活動計測と脳活動光制御を行う。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成26年度に目指していた埋植用超小型CMOSイメージングデバイスによる脳機能計測、およびLEDアレイを搭載した多点光刺激デバイスによる脳神経活動の光制御に成功している。研究計画を予定通り遂行しており、埋植用超小型CMOSイメージングデバイスによる脳機能計測の研究成果は論文として発表している。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は、埋植可能な小型脳機能計測・刺激双方向光デバイスを開発し、生体埋植下における脳機能計測と脳活動制御を行う。具体的には、(1) 双方向光デバイスの試作と動作検証、(2)埋植下での光刺激による神経活動制御と脳機能計測、(3)行動実験中のデバイス機能実証、(4)双方向デバイスの脳機能計測および光刺激における空間分解能向上、について研究を進める。
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