研究課題/領域番号 |
26882032
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
小村 智美 大阪市立大学, 大学院生活科学研究科, 博士研究員 (10736515)
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研究期間 (年度) |
2014-08-29 – 2016-03-31
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キーワード | 線虫 / ビフィズス菌 / 老化 / 生体防御 / プロバイオティクス |
研究実績の概要 |
わが国は世界一の長寿大国となったが、免疫力の低下による高齢者の肺炎死亡率増加など、老化に関する課題も多い。そこで申請者は、老化に伴う免疫力の低下を食品成分により制御する可能性について、線虫(Caenorhabditis elegans)をモデル動物として研究を進めている。これまでにヒトに有益な保健効果をもたらすプロバイオティクスの一種ビフィズス菌が、線虫の老化を抑制し寿命を延長させることを発見してきた。そこで本研究は、その機構を解明するための糸口として、線虫の寿命を延ばすビフィズス菌体成分の同定を目的として、今年度はビフィズス菌のランダム変異株を作製することを試みた。しかし、ビフィズス菌のランダム変異株を作製する際に必要であったビフィズス菌に適する抗生物質耐性遺伝子を海外から取り寄せることが困難になった。そのため、当初の予定を変更しビフィズス菌摂取時に発現増加する遺伝子と GFP 遺伝子を融合させたトランスジェニック線虫を作製することを優先的に進め、トランスジェニック線虫の作製に成功し、ビフィズス菌を与えるとGFPが誘導し顕著に発現することを確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画の方針を変更しトランスジェニック線虫の作製を優先させたが、早期に作製することに成功し、蛍光顕微鏡下での観察で顕著なGFP発現が認められた。そのため来年度は、このトランスジェニック線虫を用いて早期にレポーターアッセイ系で評価していくことが可能であり、予定通り進展していると評価する。
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今後の研究の推進方策 |
作製したトランスジェニック線虫にビフィズス菌の各菌体成分を給餌し、蛍光顕微鏡下で GFP 誘導能力を喪失した菌体成分をみつけ出し、寿命やアンチエイジングに寄与する菌体成分を探索することを計画している。
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