本研究の目的は、発育期段階から繰り返される足関節捻挫再受傷を予防するために、足関節捻挫の”受傷頻度”に依存して時系列的にどのような神経系の回復過程を示すかを明らかにすることである。併せて、再受傷リスク要因を発育期コホート研究の中で明らかにすることである。本研究により、初回足関節捻挫後の皮膚反射利得が足関節の機能的回復に関連していることが明らかになった。第二に、足関節捻挫後の回復過程における皮膚反射利得の変化は足関節捻挫既往歴(受傷頻度)に強く影響を受けることが明らかになった。以上より、足関節捻挫反復に伴い中枢神経系の変化が引き起こされ、慢性的足関節不安定性へと発達してくる危険性が示唆された。
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