研究課題
本研究では、多様な免疫調節を担う脂質抗原受容体の機能解析を行うため、特にナチュラルキラーT (NKT) 細胞を活性化する糖脂質受容体CD1dに注目し、受容体タンパク質に選択的共有結合形成能を持つ“共有結合型”CD1dリガンドの開発を目指している。本年度は、前年度に合成した新規CD1dリガンド(側鎖にアミド基を介して様々な反応性官能基を有するα-GalCer誘導体)を用いた解析を中心に行った。CD1dとリガンドとの結合親和性の評価を行うためにBLI(Bio-Layer Interferometry)法やELISA法を用いた新たな解析法を確立し、上記の誘導体がα-GalCerと比較し、より強い親和性を示すことを見出した。続いてNKTハイブリドーマ細胞、マウス脾臓細胞を用いて、誘導体のサイトカイン誘導能を評価した結果、種々のサイトカイン誘導が上昇することが明らかとなった。また誘導体とCD1d間の共有結合形成の有無を確認するためにMALDI-TOFMSを用いた解析を行った結果、上記の誘導体の一部がCD1dの特定のアミノ酸残基と共有結合を介して結合していることを示唆する結果を得た。さらに分子動力学計算を用いた解析によりCD1dの脂質結合部位とリガンド間の相互作用様式において、新たな知見を得ることに成功した。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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