研究実績の概要 |
本研究の目的は,小児を対象に,①最高酸素摂取量(VO2peak)の相違によって,運動中の筋酸素動態(酸素化ヘモグロビン・脱酸素化ヘモグロビン・総ヘモグロビン・筋酸素飽和度)および心機能(心拍出量,一回拍出量,心拍数)が異なるか否か,及び,②VO2peakの相違によって,VO2peakと筋酸素動態・心機能との関係が異なるか否か,の2点について検討することで,全身持久力が低い小児におけるVO2peakと筋酸素動態及び心機能の関連を明らかにすることである。平成26年度は,思春期前の小児(10名程度を予定)を対象とし,自転車エルゴメーターを用いたランプ負荷心肺運動負荷試験および固定負荷運動を実施し,心機能および複数箇所における筋酸素動態を評価する予定であった。しかしながら,倫理審査の承認,研究機器(近赤外分光装置および測定プローブ)の購入,研究機器の不具合に対する修理・改良,消耗品の購入,および被験者の募集に予想以上の時間を必要とし,実際の測定(本実験)には至らなかった。当初予定した被験者数の確保は依然として難航しているものの,当初想定していなかった集団においても被験者の募集が可能となったため,平成26年度中に複数の集団(小学校等)において,被験者の募集を実施できた。加えて,予備的実験により研究体制および研究環境が整備されたため,今後は被験者の募集を継続する一方で,同意が得られた被験者から随時測定を実施する予定である。
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