研究課題
本研究の目的は,小児を対象に,①最高酸素摂取量(VO2peak)の相違によって,運動中の筋酸素動態(酸素化ヘモグロビン・脱酸素化ヘモグロビン・総ヘモグロビン・筋酸素飽和度)および心機能(心拍出量)が異なるか否か,及び,②VO2peak の相違によって, VO2peak と筋酸素動態・心機能との関係が異なるか否かの2点について検討することで,全身持久力が低い小児におけるVO2peak と筋酸素動態・心機能の関連を明らかにすることである。平成27年度は,小児25名を対象として,自転車エルゴメーターを用いた心肺運動負荷試験及び固定負荷運動を実施した。インピーダンス心拍出量計により運動中の心拍出量を,近赤外分光法により外側広筋における筋酸素動態を,呼気ガス分析によりVO2peakをそれぞれ測定した。インピーダンス法により除脂肪体重(FFM)を評価し,FFMにて補正したVO2peakにおける中央値にて通常体力群と低体力群の二群に分け,比較検討した。通常体力群に比較して低体力群では,脱酸素化ヘモグロビンの増加が有意に小さく,筋酸素飽和度が有意に高値を示した。一方で,総ヘモグロビン,FFMにて補正した心拍出量には群間で有意な差を認めなかった。低体力群では,骨格筋における脱酸素化がVO2peakと関連する一方で,心拍出量とは有意な相関関係を認めなかった。一方で,通常体力群では心拍出量とVO2peakが相関関係を示したが,脱酸素化動態とは有意な相関関係を認めなかった。低体力の小児においては心機能ではなく,骨格筋における酸素利用能がVO2peakを制限している可能性が示唆された。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Advances in Experimental Medicine and Biology
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