研究実績の概要 |
本研究は,サルコペニア高齢者を対象にCT・MRIによる下肢筋群の筋毎の容積を定量化し, 筋萎縮の特徴を検討した. サルコペニア高齢者は非サルコペニア高齢者に比べ, 外側広筋(VL), 中間広筋(VI), 内側広筋(VM)の容積が有意に低く(P < 0.05), 大腿直筋(RF)は低い傾向を示した(P = 0.054). 大腿四頭筋全体の面積に対する各筋の占める割合では, いずれの部位にも有意差を認めなかった. また, 軽強度の有酸素運動(スロージョギング)による介入研究を行い,サルコペニア高齢者および非サルコペニア高齢者への身体機能及び筋肥大効果について無作為化比較試験により検討した. 12週の介入後,運動群でのみ身体機能と筋量の有意な増加が認められ,その効果量はサルコペニアの有無に関係なく同様であった. 本研究の結果より,サルコペニアでは大腿四頭筋は各筋一様に萎縮することが明らかとなり, 軽強度のスロージョギングはサルコペニアの予防改善に有効であることが示唆された.
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