研究課題/領域番号 |
26882060
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研究機関 | 独立行政法人日本スポーツ振興センター国立スポーツ科学センター |
研究代表者 |
山下 大地 独立行政法人日本スポーツ振興センター国立スポーツ科学センター, スポーツ科学研究部, 契約研究員 (00734815)
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研究期間 (年度) |
2014-08-29 – 2016-03-31
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キーワード | 方向転換 / バイオメカニクス / スポーツ / 走動作 |
研究実績の概要 |
対人競技などで攻撃者が頻繁に用いる方向転換動作の研究において、従来は方向転換足のみに着目した研究が多くおこなわれてきた。しかしながら、最大速度での助走では一歩で方向転換を完了できていないことが明らかになっており(Vanrenterghem et al., 2012)、方向転換足接地前後の接地足にも着目する必要がある。当該年度の研究では、球技選手を対象に直線走と方向転換走を比較し、方向転換足とその前後の足の接地時の身体重心の速度および角度変化を比較することを目的とした実験を行った。 被験者は球技選手12名とし、最大努力での15ヤードの直線走、および10ヤードの助走の後に右45度に方向転換を行う方向転換走をそれぞれ4試行ずつ行った。 方向転換走の10ヤード地点での助走速度は直線走の10ヤード地点の走速度に比べて有意に低値を示した。しかしながら方向転換走では方向転換直前や直後の走速度に変化はなく、減速をしているわけではないことが明らかとなった。また、方向転換直前の助走速度は約6.5 m/sであり、これまで報告されている研究の中では最大速度であった。また方向転換走において、方向転換は方向転換足接地の二歩前の接地時には開始されていることが明らかとなった。また45度の方向転換を達成するためには3歩以上を要することが明らかとなった。 これらの知見を活かすことによって、従来の方向転換走研究に新たな視点を提示するとともに、トレーニング手法やコーチングの提案ができるようになり、スポーツ技術の進歩に貢献できると考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
予定した実験を行うことができた。またそれ以外にも、アメリカンフットボール選手約300名を対象とし、方向転換走および数種類の体力テストのデータを取得することができたため、今後は方向転換能力とそれに必要な体力要素について検討していく。
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今後の研究の推進方策 |
今後は同様のプロトコルを用いて実験を行い、方向転換走における下肢の動力学的特性を明らかにしてく予定である。また一般競技者と一流競技者を比較し、一流競技者にみられる方向転換の技術を明らかにする。
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