研究実績の概要 |
本年度は本研究「近世オスマン帝国のもの書く人々:文化的選良層の社会生活と神聖についての文化史研究」の二つの大項目のうち一番目に当るⅠ.「文化的選良の社会身分と人的社会結合の実態」の研究を行い、現在その成果をまとめつつ、オスマン帝国における庶民像を窺う学会発表「トルコ古典詩における職人の美化:「床屋の書」を中心に」」日本中東学会第30回年次大会, 於東京国際大学, 平成26年5月11日を行った。これに加えて本研究の骨子である「もの書く人々」についての経年的変化を追う試みを念頭に置きつつ、論文「越境なきディアスポラ作家ラティフェ・テキン:「我が家の言葉」をめぐって」『世界文学』116号,2014を執筆、公刊したが、これに関しては本邦では希少なトルコ現代文学の業績にもつながり、具体的にはラティフェ・テキン『乳しぼり娘とゴミの丘のおとぎ噺』河出書房新社, 196頁, 平成26年7月8日、アスル・エルドアン著「ある入院患者の日記」宮下遼訳, 『すばる』2014年5月号, 平成26年4月6日, pp. 252-270.(解説, pp. 267-270)、および研究会発表「謙虚な虚無主義者アスル・エルドアン」中東現代文学研究会、於東京外国語大学本郷サテライト、平成27年1月10日という三点の成果を上梓、発表する運びとなった。
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