本研究企画は、2年間の研究を通して、戦争遺構のツーリズムが日中間における戦争の歴史認識の再生成に機能していることを検証できた。また、中国の大学では、文化人類学や平和学研究はまだ新しい学問であり、国際研究集会などを通して、日本で学んだ知見は、最先端の学術分野の成果として、母国の大学での教育や研究を通して還元できた。また、日本ではこの分野についての研究者も多く多様な研究成果が見られるが、中国の戦争遺構についての一次資料は日本の中国研究にも資するものと考えられる。更に、調査資料に基づいた考察は中国と日本における戦争遺跡のツーリズムの文化的・政治的・歴史的特徴を比較することが出来た。
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