研究課題
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16世紀フランスにおける歴史と虚構の境界をめぐる議論の展開を明らかにするため、クセノフォンの『キュロスの教育』と擬フリギアのダレスの『トロイ滅亡史』の受容について分析した。これらは、真正な歴史書と言いうるのかに疑義を挟まれていた著作だからである。本研究は、これらのテクストの受容が、単に歴史記述論に関する理論的な議論の発展に裨益したにとどまらず、歴史と対照することによって詩や虚構を擁護する立場を生み出すことにも繋がったことを明らかにした。
フランス文学