研究実績の概要 |
ナボコフと出版、それが受容にあたえた影響という研究目的に沿った、資料の収集、分析をおこなった。11月にテキサス大学オースティン校のハリー・ランサム・センターを訪問し、ナボコフと出版社ダブルデイの編集者ジェイソン・エプスタインや、『アトランティック・マンスリー』の編集者エドワード・ウィークスとの書簡などを調査した。その後、テキサス州サン・アントニオで開催されたASEEESに出席し、ナボコフ関係のパネルに出席し、研究者と交流した。 3月に、シアトルで開催されたACLAに出席し、関連の研究発表を聴講し、研究者と交流し、資料収集をおこなった。上記の調査結果をふまえた論文の執筆をおこなった。 論文“Revisiting Nabokov’s The Defense as a Moral Game: What Made Luzhin Commit Suicide?,"を査読付き学術誌Nabokov Online Journalに投稿し、受理され、8号(2015)に刊行された。また記事"Notes on Nabokov's “Notes on my Father”,”をThe Vladimir Nabokov Societyの会誌The Nabokovianに投稿し、受理され、73号(2014)に掲載された。また、文学作品の翻訳と出版について「ロシア文学翻訳の現在―古典新訳からソローキンまで」というエッセイをnippon.comに発表した(http://www.nippon.com/ja/column/g00239/)。 2月に、東京大学教養教育高度化機構社会連携部門主催の「高校生のための金曜特別講座」にて、アーカイヴ調査の成果を一部盛りこんだ「ウラジーミル・ナボコフの文学――ナボコフ先生に学ぶ小説の読み方、訳し方、書き方」という講義を、一般向けに東京大学駒場キャンパス18号館ホールでおこなった。また、研究成果の発信は、随時自身のブログでもおこなっている。
|