研究課題
研究活動スタート支援
本研究では、ゴシック後期における建築と彫刻の関係を考察した。殊に注目したのは、ドイツのニュルンベルクにある、ザンクト・ロレンツ聖堂である。その内陣に、幾何学形態に基づくリブ・ヴォールトが架けられ、その下には、15世紀末に発展したロザリオ信仰を背景とする、ファイト・シュトースによる木彫《天使の挨拶》が吊り下げられている。本聖堂では、こうした建築的・彫刻的諸要素が、図像・造形の上で総合的に作用しあい、聖堂空間を演出していることがわかった。
美学・美術史