研究実績の概要 |
本研究の目的は、日本人EFL学習者の読解における下位レベル処理としての語彙アクセスと、上位レベル処理としてのトピックおよびテーマの推論生成のプロセスを明らかにすることである。研究Ⅰでは「文単位の読解におけるトピック推論の生成」について、学習者の読解中に (a) 適切な語彙アクセスによって正確なテキスト表象が構築されているか (i.e., 明示的情報の理解)、(b) トピック推論が生成されているか (i.e., 暗示的情報の理解) という2つの観点から検証を行った。 その結果、文単位でのテキスト構築は、文章単位での読解と比べ、離れた情報を統合する必要がなく、下位レベル処理にかかる負荷が少ない。そのため、英語熟達度の低いEFL学習者であっても文情報から適切なトピックが生成されていた。一方、読解後のトピック語を手がかりとした情報再生においては、トピックと提示文の因果的な結びつきの強さによって再生される情報量に差が生まれることが分かった。
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