本研究はEFL学習者の読解におけるトピックおよびテーマ推論の生成プロセスと、英語読解熟達度がどのような影響を与えるかを検証した。文単位の読解における推論生成については、熟達度に関係なく適切なトピック推論が生成されていること、また構築されたテキスト表象も局所的一貫性を維持しており、熟達度間で大きな差はないことが示された。一方、文章単位の読解における推論生成については、熟達した学習者のみが文章のテーマを適切に把握していることが明らかとなった。このことから、テキスト間のテーマ情報を統合し、大局的一貫性を構築するのに必要な情報を活性化することは、一定レベル以上の英語読解熟達度を要することが示唆された。
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