スキン・ブリーチングは肌のメラニン色素の量を減らすことで肌を明るくするために、化学薬品を用いる行為である。カリブ海地域、アフリカ大陸、北米大陸等の旧植民地や奴隷制度のあった各地に多くの実践者がいる。本研究では、ジャマイカの現代の黒人性という観点からスキン・ブリーチングを理解することを試みた。本研究では、旧来のスキン・ブリーチングがヨーロッパ中心主義的思考にもとづいた、「標準化」を志向するものである一方、現在広がりつつあるスキン・ブリーチングは、グローバリゼーションの進展にともなう、個人主義や消費主義に方向付けられた、「個性化」を志向するものであることを明らかにした。
|