著作権と憲法上の表現の自由の衝突という問題に対し、司法と立法が果たしうる役割を検討した。 デジタル、インターネット技術が発展し、著作物の利用が日常茶飯事になる中、既存の立法にのみ両者の調整を委ねていては、少数派バイアス問題とメタファー問題により、著作権が拡大する方法へ進んでしまう。そのため、著作権法に対する違憲審査は不可欠であると考えられるが、違憲訴訟以外の場面でも、両者の調整は可能である。 一つは、インターネット時代に適した著作権リフォームを行うという立法の役割である。そしてもう一つは、個別の著作権侵害訴訟において、既存の条文の柔軟な法解釈による表現の自由への配慮という、裁判所の役割である。
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