本研究では、学校の生物教育における環境倫理、特に、ディープ・エコロジーの視点を導入した環境倫理教育プログラムを開発・試行した。その結果、生徒の環境倫理意識の向上に関して、高校「生物基礎」の生態分野の学習に、ディープ・エコロジー・ワーク「身近な自然との一体化体験」を導入することは、生徒の生態系の保全の重要性に対する意識、および、環境倫理意識の向上を図るのに有効であるという知見が得られた。また、自然の権利についての意識調査の結果、調査対象とした高校生の意識の特徴として、「法的な権利」に肯定感が強い生徒が多い一方で、「倫理的な権利」に肯定感が強い生徒が少ないことが明らかになった。
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