平成27年度は、前年度に構築したデータセットをもとにして、①選挙監視の民主化への影響についての理論枠組みの構築、②アフリカの選挙監視ならびに民主化をケースとした実証分析、の二点を行った。 ①については骨子となるアイディアは既に前年度の段階で得られていたために、本年度はそれを数理モデルとして表現する作業を行った。②のアフリカの選挙監視ならびに民主化については、まず前年度に構築したデータセットの修正・拡張と、それをもとにした記述統計の作成を行った。その後、仮説を実証するための具体的なケースを選定し、各種報道資料等を用いながらそのケースについての分析を行った。 アウトプットとしては、以上の作業を基に、二本のペーパーを執筆する作業を行った。一つはアフリカのケースを前面に出したものであり、もう一つは理論化を前面に出したものである。前者については既に査読付き英文学術雑誌に投稿を済ませ、現在査読中である。後者は執筆作業を継続している。 また、これらと並行してASEAN(東南アジア諸国連合)についての研究と、市民間の交流が集合的アイデンティティひいては国際関係に与える影響について理論的に考察する研究を行い、それぞれ学術書の中の一章として刊行された。
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