第一に、資本財の異質性を持つ貿易モデルにおいて、生産性にそもそもバラつきがあるという側面に加えて、新しい資本財は古い資本財に比べて生産性が高いという資本の経過年数を明示的に考慮するモデルを構築し、資本財の経過年数と貿易状況に関して従来指摘されていなかった新たな実証的含意を導出した。 第二に、消費財と投資財の異質性を明示的に考慮した貿易モデルを構築し、貿易パターンを通じて経済厚生に与える影響を計測した。全要素生産性の国際間のバラつきが、財の異質性を考慮することにより30%程度説明できることが明らかになった。また、地理的要因と関税が経済厚生に与える影響を定量的に検証した。
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