本研究の目的は、ソーシャル・サポートの受領を規定する社会的文脈を全国調査データによって検討することで、現代日本における孤立の形成メカニズムを実証的に明らかにすることである。全国調査データの分析の結果、第1に、結婚・出産による退職を経験している人ほど情緒的・道具的・情報的・評価的サポートを欠如しやすいこと、第2に、職場の都合による退職(失業)を経験している人ほど経済的サポートや情報的サポート、評価的サポートを欠如しやすいことが明らかになった。本研究の結果は、職場からの離脱という社会的文脈が社会的孤立をもたらす重要な要因になりうることを示唆する。
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