研究課題/領域番号 |
26885053
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
梅田 道生 愛媛大学, 法文学部, 講師 (80735324)
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研究期間 (年度) |
2014-08-29 – 2016-03-31
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キーワード | 選挙政治 / 日本政治 / 参議院 / 計量政治学 |
研究実績の概要 |
2014年度は本研究課題において,(1)地域レベルからのアプローチとして,都道府県および市区町村レベルでの選挙データを用い,候補者数の変化が投票率および政党得票率等に対して与えた影響についての検証を行い,また(2)政党エリートレベルからのアプローチとして,参院選選挙期間中の政党幹部の遊説先とその影響についての検証を行った。 前者の研究の成果としては,特に2010年参院選において民主党が二人区で候補者を複数擁立した帰結として,これらの選挙区の競争度が上昇し投票率が平均して2%程度増加したこと,他方この戦略が民主党の比例票の追加的な動員にもたらした影響は不明瞭であることを明らかにした。 またこれに加えて,後者の研究の成果として,特に2004-2010年の日本において二大政党制が成立していた時期の参院選においては,自民党・民主党の両党とも選挙期間中の党首の選挙区訪問という希少な資源を一人区に傾斜して配分したこと,また一人区の中でも競争が激しい選挙区に集中させたことを明らかにした。しかし民主党が弱体化,「第三極」が躍進した2013年の参院選においては,自民党が従来通りの党首訪問の配分を行ったのに対し,民主党は二人区での議席確保のために二人区への党首配分を厚くする,という変化が見られた。 前者の研究成果については2014年度の日本政治学会において既に報告を行った。後者の研究成果については,2015年度の日本政治学会および米国政治学会においてそれぞれ報告する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年度はおおむね計画した通りのスケジュールで研究をすすめることができた。
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今後の研究の推進方策 |
2015年度は事前の計画通り,参議院における政治エリートレベルの戦略の変化が有権者に与えた影響を検証するために選挙有権者調査のデータを用いた研究を行う予定である。また2014年度で行った研究を学会で報告し,討論者から受けたコメントを元に論文を改訂,これを学術誌へと投稿する予定である。
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