27年度は、昨年度から取り組んできた分析成果をふまえて学会発表を行なうとともに、これまでの研究成果を論文にまとめた。 昨年度に完了しなかった資料の収集・整理を継続しつつ、群馬県の資料分析を進めた。群馬県に関しては、昨年度収集した県会議事録や群馬県布達のほかに、「上毛新聞」や「上野新報」「群馬日報」といった当時の地域新聞などの周辺資料も新たに収集することができた。 研究成果の発表については、明治12年から明治16年までの群馬県議会の分析をもとに、群馬県の地方教育行政の展開をまとめ、中部教育学会第64回大会(於名古屋大学)にて、「教育令期群馬県における地方教育行政の展開―督業教師と学事奨励職員をめぐって―」と題して報告した。その後、さらに明治18年までの群馬県会議事録と周辺資料の分析を進め、先の学会報告の内容と合わせて「教育令期群馬県における地方教育行政の展開―督業教師から小学督業に至るまで―」と題する論文をまとめ、発表した。 他方、長崎県については、長崎歴史博物館所蔵の学務課関連資料を引き続き収集・整理するとともに分析にも着手し、長崎県における地方教育行政の展開について検討を加えた。 また、本研究の分析で明らかになった成果を博士論文に付け加え、これらの研究成果を広く公表するために、出版助成に応募した。今後は、以上の成果をもとに博論刊行に取り組む予定である。
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