本研究は、北朝鮮を離れて韓国に定着した脱北女性の脱北過程の特徴を明らかにすることを目的に、韓国に在住する20代~40代の脱北女性のライフヒストリー調査を実施した。 その結果、近年、脱北女性の脱北動機は、より安定的な生活や自由を求めたり、子供の将来への期待といった動機の多様化が窺えた。また、中国への一時的な出稼ぎを目的とする従来の脱北形態から、最初から韓国行きを目的とする脱北の目的地への変化が見られた。その背景には、北朝鮮内における韓国社会への認識の変化とともに、すでに韓国に定着した脱北者からの情報及び経済的なサポートが存在する。
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