研究課題/領域番号 |
26885071
|
研究機関 | 東北公益文科大学 |
研究代表者 |
白旗 希実子 東北公益文科大学, 公私立大学の部局等, 講師 (10735658)
|
研究期間 (年度) |
2014-08-29 – 2016-03-31
|
キーワード | 専門職 / ソーシャルワーカー / イギリス / HCPC / 職業的社会化 / CPD |
研究実績の概要 |
今年度は、HCPCのCPD基準に関する学会報告をおこなった。イギリスにおける医療福祉専門職の継続的能力・職能開発は、HCPCのCPD基準が全体を網羅する役割を果たし、その中にNHSやローカルオーソリティなどで実施される法定研修や職場内研修、専門職団体や教育機関などで実施される専門的研修や継続教育などが位置づけられていることから、HCPCが基準として挙げているように、登録者のおこなうCPDの内容は、主に職場に必要とされる知識・技術に依存するものとなると考えられ、登録者は職場で決められた研修をおこないながら、多様な研修の中からニーズに合うものを選択し、自己研鑽を積み上げていくものと考えられるとの結論を発表した。これは、研究計画「Ⅲ.HCPCにおける専門職の登録・継続研修の基準に関する研究」に該当する。 また、イギリスでソーシャルワーカーとして働いている方へのインタビュー調査をおこなった。本インタビュー調査は、研究課題の研究計画にある4つの計画のうちの「Ⅱ.Practice Educatorの教育プログラムに関する研究」に該当する。その結果とこれまでのインタビュー調査の結果から、イギリスのソーシャルワーク教育における実習期間の長さは、学生の専門職意識の高まりをもたらすこと、3年次に選択した実習先がその後学生が選択する就職先と関係していること、就職までにブランクのある者もいるが、イギリスのソーシャルワーク教育において、教育機関と職場のレリバンスが形成されているのではないかということが示唆された。また、NHSと地方政府など雇われ先によって、実習のあり方が異なることが示唆された。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
4つの研究計画のうち、「HCPCにおける専門職の登録・継続研修の基準に関する研究」については、おおよそ達成しており、論文にまとめつつある。また「Ⅱ.Practice Educatorの教育プログラムに関する研究」についてはインタビュー調査や他職との比較を行いながら、順調に進展していると考える。その一方で、「Ⅰ.大学・大学院における教育プログラムのケーススタディおよび大学の教員へのインタビュー調査」は、資料の読み込みに留まっており、来年度に予定している海外調査でインタビューデータや資料収集を実施していくことが求められる。以上のことから、全体としてはおおむね順調に進展していると考える。
|
今後の研究の推進方策 |
今後は、イギリスの大学、関係団体を訪問し、資料収集ならびにインタビュー調査を実施する。これは、研究計画「Ⅰ.大学・大学院における教育プログラムのケーススタディおよび大学の教員へのインタビュー調査」ならびに「Ⅱ.Practce Educatorの教育プログラムに関する研究」に該当する。この調査で得たデータと、26年度までにまとめたものを踏まえて、研究計画「Ⅳ.イギリスの社会福祉専門職の職業的社会化についての考察と日本との比較」をおこなっていく。
|