動物の道具的学習行動は、刺激と反応との連合が強化子により強化される過程(S-R過程)と、反応と結果との随伴性および結果の価値予測に基づく過程(R-O過程または目的指向性過程)からなるとされる。本研究では脳梁膝周辺の前帯状皮質(ACC)を薬理的に損傷したラットを用いて、道具的行動の連合過程に関する検討を行った。連合過程の検証方法として、レバー押し訓練後の強化子低価値化手続き、および反応-結果随伴性低下手続きを用いた。この結果、ACCを損傷されたラットはいずれの手続きでも偽損傷群と同様の成績を示したことから、ACCはより吻側の前縁皮質とは異なり、道具的行動の目的指向性に貢献しないことが示唆された。
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