本論は,既存のサービス研究を批判し新知識を理論的・実証的に構築するかたちで,以下のような知見を得た。 第1に,小売従業員による顧客への無償の情報提供サービスにおいて,顧客は,ひとたび従業員と関係性を築き心理的負債を抱くと,従業員に対して不満を抱く。第2に,習い事等の顧客の能力向上に主眼を置くサービスにおいて,能力向上への顧客満足は再購買の意図を減じる。第3に,通常の単数回消費のサービスにおいて,高い満足に伴う高い期待は再購買へのハードルとなり,結果高い満足を抱いた顧客は再購買を避けるようになる。
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