研究課題/領域番号 |
26885088
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研究機関 | 法政大学 |
研究代表者 |
米山 忠寛 法政大学, 大原社会問題研究所, 研究員 (50738755)
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研究期間 (年度) |
2014-08-29 – 2016-03-31
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キーワード | 日本政治外交史 / 日本政治史 / 戦時体制 / 総力戦体制 / 政党政治 / 立憲政治 / 体制秩序 |
研究実績の概要 |
本研究が分析の対象としたのは昭和戦時期に国内政治の文脈の中でどのような国内体制秩序観が存在していたのかという問題である。もちろん戦時期には体制秩序というものは存在しなかったという解釈も成り立ち得る。また当該期の体制秩序の中に分析に値するものはないとする評価もあり得る。ただ、明治憲法体制から戦後憲法体制への端境期といった構図に含まれない部分を研究の視野から排除せずに見るとどうなるのだろうか。新たな「戦後」の到来を必然のものとは考えない場合に、同時代人はどのように行動したのだろうか。その点を精査することで、結果的に明治憲法体制の到達点を確認することができるものと考える。 研究の進行について、平成26年度は採択が8月末であり、期間が限定されたものとはなったが、大きな成果としてこれまでの研究に本年度の成果を加えて平成27年3月に『昭和立憲制の再建 1932~1945年』(千倉書房)を刊行した。本研究で得られた成果についても改稿作業の終盤において様々な加筆修正を行うことができた。 その他継続的な研究活動として、昭和戦前期の政治・経済雑誌や論説、小冊子などの収集を行った。また本年度は群馬県・沖縄県での短期の史料調査を行った。本年度の調査は本格的なものというよりは研究の展開の端緒を求めた性格が強いが、得られた新たな知見を今後の研究に繋げていきたいと考えている。 本研究の中間段階での研究成果として『昭和立憲制の再建』を刊行・公表したことで、その後多様な反響を受けることができた。次年度にはそれらの反響を踏まえて、研究計画の次の段階での研究の展開に活かしていきたいと考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究成果として単著を刊行し、その後各研究分野から多様な反響を受けている。研究を発展させるための良い循環ができているものと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究では刊行した単著『昭和立憲制の再建』に対して各研究分野から頂いた反響を受けて、当該期の多様な国内体制秩序観の状況について改めて整理・分析し、更に研究を発展させていきたい。
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