研究課題/領域番号 |
26885104
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研究機関 | 帝京科学大学 |
研究代表者 |
高田 麻美 帝京科学大学, 生命環境学部, 助教 (30734545)
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研究期間 (年度) |
2014-08-29 – 2016-03-31
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キーワード | 博物館 |
研究実績の概要 |
2014年度は主に次の三つについて取り組んできた。
第一に、日本の文部省教育博物館設立に際して参考にしたとされる米国の教育博物館認識の検討である。とりわけ、米国連邦教育局博物館の設立を推し進めた第二代教育局長ジョン・イートン(John Eaton)の教育博物館構想は文部省教育博物館に一定の影響を与えたと推測される。そこで、2014年度は、米国議会図書館と米国国立公文書館においてイートンの構想や当時の教育界の動向がうかがえる雑誌など基礎的な資料を調査し、関係する部分を複写・収集した。すでに分析に入っているが、成果については今後発表される。 第二に、府県立教育博物館の成立過程の検討である。2014年度は滋賀県に設置された教育博物館について検討するため、滋賀県庁と滋賀県立図書館において県会議事録や雑誌記事等を調査し、関係箇所を複写・収集した。今回の調査と他地域の調査結果とを合わせて、研究計画書で示した「仮説」の妥当性を検証する予定である。 第三に、二つ目の研究を進めるなかで、府県立教育博物館のモデルとなった文部省教育博物館の活動実態を明らかにする必要があるのではないかとの考えに達した。そこで、同館の特徴ともいいうる教育活動について検討を進めた。2014年度については小・中学校に対する実験機器の斡旋事業に関して、東京都公文書館、国立国会図書館、名古屋大学附属図書館等で基礎資料を調査した。調査の成果については、2015年度に全日本博物館学会第41回研究大会で報告する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究は、[a]北米における教育博物館認識の検討、[b]文部省教育博物館が摂取した教育博物館情報の解明、[c]府県立教育博物館が摂取した教育博物館情報の解明の三つを主な作業課題としている。このうち、[a]については、米国についての基礎資料の収集が完了し、分析作業に入っている。また、[c]についても、上述の通り、滋賀県の資料収集がおおむね完了している。ただ、当初予定していた地域について、資料の所在が確認できず調査ができない状況にある。だが、今後他地域の調査を行なうことで、その不足分を補うことが可能だと思われる。[c]については、各地の調査に加え、府県立教育博物館に影響を与えた文部省教育博物館の教育活動について分析を進めている
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今後の研究の推進方策 |
2015年度は、当初の予定通り、カナダならびに国内において基礎資料の収集を行ない、その分析作業を進めていく。 また、上述の通り、文部省教育博物館の教育活動に関して学会発表を行なう予定である。
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