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2014 年度 実績報告書

後期イングランド啓蒙におけるジョセフ・プリーストリー:科学・宗教・経済・社会

研究課題

研究課題/領域番号 26885117
研究機関徳島文理大学

研究代表者

松本 哲人  徳島文理大学, 総合政策学部, 講師 (70735828)

研究期間 (年度) 2014-08-29 – 2016-03-31
キーワードイングランド啓蒙 / 啓蒙思想
研究実績の概要

神学と科学の関連性についてはこれまでも多くの観点から研究がなされてきたが、プリーストリーの科学思想もまた、彼の神学思想によって支えられており、ニュートンやボイルといった理神論の伝統の延長線上にいると考えられている。つまり、創造主がすべての自然を支配しているという考えである。創造主が宇宙を設計し、大地を創造し、法則性をその世界に埋め込んだと理神論者たちやプリーストリーは考えた。だから、創造主は、あらゆるところに遍在し、その痕跡を残し続けている。創造主が残した法則性を発見することが科学の主要な目的であるとプリーストリーは考えたのであった。しかしながら、理神論とプリーストリーの神学では様々な考えの相違があるために、トマス・ペインの理神論とプリーストリーの神学を比較考察する研究を行い、『日本ピューリタニズム研究』第9号において「プリーストリーのペイン批判――18世紀後期イングランドにおけるユニテリアニズムと理神論――と題して公表した(2015年3月完工予定であったが、2015年4月14日時点では未刊)。
さらにプリーストリーのExperiments and Observations Relating to Various Branches of Natural Philosophy, London: J. Johnson, 1779などからヒントを得て、彼の社会科学と自然科学との峻別を検討し、その特徴を明らかにし、リカードウ国際会議(3月6-8日、於沖縄)において「Joseph Priestley’s Social-Science Methodology」として報告した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

交付申請書に記載した平成26年度の研究計画の通りにプリーストリーの神学概念をトマス・ペインの概念と比較考察した論文を公刊し、プリーストリーの社会科学と自然科学の峻別に関する国際会議での報告を実施することができた。

今後の研究の推進方策

平成27年5月の欧州経済思想学会(ESHET)ならびに9月の欧州経済思想学会と経済学史学史学会とのジョイントカンファレンスにおける個別研究をもとに、プリーストリーの社会科学方法論と啓蒙についての論文を英語および日本語で執筆し、発表できるように努める。また、この論文を執筆する過程で生じる一次資料を現地で調査・収集し、論文として公刊する際には、それらの資料を用い、より厳密な論文とする。
それと並行し、プリーストリーのイングランド啓蒙概念を明らかにするために19世紀にプリーストリーを評価したトマス・ヘンリー・ハクスリーの文献を考察し、その啓蒙の特徴を明らかとしたい。これらについては、平成27年6月のマルサス学会ならびに11月の日本ヴィクトリア朝研究学会において報告がなされ、論文として公刊される予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2015 2014

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 「プリーストリーのペイン批判 ――18世紀後期イングランドにおけるユニテリアニズムと理神論――」2014

    • 著者名/発表者名
      松本哲人
    • 雑誌名

      『ピューリタニズム研究』

      巻: 9 ページ: 40-50

    • 査読あり
  • [学会発表] 'Joseph Priestley's Methodology of Social Science'2015

    • 著者名/発表者名
      Matsumoto, Akihito
    • 学会等名
      リカードウ国際会議
    • 発表場所
      沖縄県男女共同参画センター「てぃるる」
    • 年月日
      2015-03-06 – 2015-03-06

URL: 

公開日: 2016-06-01  

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