層状絶縁物質であるh-BNはグラフェンFETのゲート絶縁膜や積層型電子デバイスの基板として理想的な物質として広く認識されているものの、絶縁膜としての信頼性や破壊メカニズムは未解明であるので、絶縁性に関して基礎研究を行った。本研究では、特に結晶構造に起因した破壊の異方性に着目して研究を行った。c軸に平行な方向における絶縁破壊強さをコンダクティブAFMを使って測定すると12 MV/cmであり、既存のアモルファスシリコン酸化物に匹敵することがわかった。一方、h-BNの表面に電極を作成しc軸に垂直方向の破壊強さを測定すると、3MV/cm程度であり、破壊電界に異方性があることを明らかにした。
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