真空蒸着法により作製した色素J会合体を含有する銀ミラー平面マイクロキャビティの光学特性を調べた。約7.1meVの非常に小さなストークスシフトを示す色素ドープPVS-K膜は,強い励起子-光子相互作用を生じさせるのに最適な活性層である。反射率測定により,銀ミラーマイクロキャビティは約59%の反射率を持つことがわかった。また,J会合体を含有する低Qマイクロキャビティにおいてキャビティポラリトン形成が実証された。このマイクロキャビティにおいて約190meVのラビ分裂エネルギーが得られたのは,銀ミラー内部の効果的な光閉じ込めと小さなストークスシフトを示すJ会合体を用いたことが要因であると考えられる。
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