完新世における日射量変化は地球軌道要素スケールの気候変動と密接に関係し地球表層環境に直接的影響を及ぼしてきたことが明らかになっているが,同日射量変化と短時間(数年~数百年)スケールの気候変動との関係はほとんど明らかにされていない.本研究では,沖縄諸島南琉球海域より採取されたオオジャコ化石の成長線解析ならびに化学組成(炭素・酸素同位体比,Sr/Ca比など)を用いて,生息当時の日射量変化ならびに海洋環境変動を日~年単位で復元することを目的とした.検討した結果,オオジャコ化石の成長線ならびに炭素・酸素同位体比は代替指標として有用であるが,Sr/Ca比は分析手法を見直す必要がある.
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