研究課題
今年度は主に以下の3つの問題について解析を行い,実際に達成できる解と最適解の間でのトレードオフを明らかにした.(1) 動画広告オークション問題に対する最適なアルゴリズムの設計を行った.これは,[Buchbinderら2007]にて開発された主双対法に基づく広告オークション問題に対するアルゴリズムを拡張により得られたものである.この拡張は,割り当てられる動画時間に制限がある場合や,無羨望の価格付けを行わなければならない状況など様々な問題を扱うことを可能にするものである.(2) 秘書問題において選好が選択関数で与えられる状況を提案し解析を行った.秘書問題は一種のオンライン問題であるが,入力がランダムな順番で現れるという点が通常と異なる.本研究では,まず,マトロイドの最大重み独立集合や最大重みマッチング,安定マッチングの秘書問題版が代替性のある選択関数における秘書問題となっていることを示した.また,代替性のある選択関数の場合に対し最適なアルゴリズムの設計に成功した.ここで,達成できる解の限界を示す際には,factor revealing線形計画法を用いて解析を行った.(3) ネットワークにおけるコミュニティ分割の質を表す「モジュラリティ」の最大化問題に対し,定数差近似アルゴリズムの開発を行った.アルゴリズムはSDP緩和の手法を用いたものであり,この手法を用いた標準的な解析方法によって達成できる限界の近似性能を明らかにした.
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (8件) (うち国際学会 4件、 招待講演 2件)
PLOS ONE
巻: January 25, 2016 ページ: 1--17
10.1371/journal.pone.0147805