研究課題
南アフリカCooke 4 金鉱山(旧称Ezulwini金鉱山)で行ったAE観測で,良質なデータが得られた14ヶ月分のデータについて,震源決定・Mw推定を行い,カタログ作成を完了させた.震源がよく決定されたもののみで,223万個もの震源が得られている.この観測において,地質断層上で見つかった極微小Repeating Earthquake(-5 < Mw < -3)について,その活動様式を詳しく調べ,プレート境界でおこるRepeating earthquakeとは異なる発生頻度と規模の関係を持つことがわかった.また,これらのRepeaterの中には,新規に現れるものや,消失するもの,Mwの時間変化を示すものなど,多彩な時間変化を示すものが含まれていることを明らかにした.断層面上のアスペリティの状態変化に起因する現象とみられる.また,別鉱山(Mponeng金鉱山)で行ったAE観測のデータ解析も行い,M2の地震後に得られた約2万個の余震中にもRepeating eventが存在することを明らかにした.鉱山の切羽直近でおこるAEの活動解析も行い,Collapsing法やDouble Difference法によってその詳細な空間分布の解析を進め,切羽直近では採掘の進行とともに二次元状ダメージ集中域が規則的に形成されること,これらが普遍的に現れること,採掘前線の形状が複雑な場所ではAE分布も非常に複雑な構造を描き出すことを明らかにした.上記の二次元状分布,あるいは断層面上で起こるAE活動について,その活動レートの変化,b値,空間相関長の時間変化などを調べた.切羽前方の応力上昇レートが高いとみられる場所ではb値の低下がかなり普遍的に確認されたが,空間相関長については明瞭な関係は確認できなかった.また,大きなイベントに先行するAEレート変化を詳しく調べたが,多くのイベントでは先行研究でみられるAE発生率の加速といった現象が確認できず,むしろ先行するAEの発生頻度は極めて一定であるケースが多いことがわかった.
27年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2016 2015 その他
すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 3件、 査読あり 3件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (18件) (うち国際学会 5件)
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