本研究課題では非線形偏微分方程式、特に2階単独方程式の中で最も単純な形をしたべき乗型半線形熱方程式モデル方程式として特異性の解析を行った。有限時間のうちに解の有界性が失われる現象を解の爆発と呼ぶ。爆発する解の分類は1980年代頃からの始まる大きなテーマの一つであり、方程式の非線形性の度合いと密接な関係がある。本研究では既存の研究では得られていなかった非線形項のべきがある閾値に等しい場合に非自己相似的な爆発を起こす解を接合漸近展開の方法を用いて構成した。さらに応用として球面に値を取る調和写像流方程式を扱い、高次元の場合に未解明であった非自己相似的特異性を示す特殊な解の構成を行った。
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