研究課題
本研究では最新の並列計算技術GPGPUを駆使し、ミクロ流動シミュレーション手法として有望な格子ボルツマン法を高効率化にし、超大規模計算に対応できるポアスケール二相流シミュレーターを開発した。本年度では、開発したシミュレーターを用いて、二酸化炭素貯留における超臨界CO2岩石内の挙動が界面張力・粘性・濡れ性の依存性を調べた。これらのパラメータを調整し、超臨界CO2残留トラッピングシミュレーションを行った。計算結果によるCO2の圧入有効性及び残留クラスターの形状、表面積などを評価指標として、CO2地下貯留の安全性向上及び貯留量の最適化を目指した圧入時の最適条件を推定した。岩石ポア内CO2初期分布が残留トラッピングに対する影響も調べた。初期CO2連続性と真球度が残留トラッピング率最も影響していることが計算結果からわかった。このメカニズムによってガス水交互圧入またはマイクロバブル圧入方式の有効性を理論上で証明できた。これらのポアスケールの情報はCO2トラッピングメカニズムの解明にとっても不可欠である。この研究で開発されだ高解像度且つ高効率のポアスケール二相流シミュレーターを用いて、実験では時間的・コスト面から実現が困難あるいは不可能な条件およびCO2貯留シナリオを比較的容易に再現することができる。この手法はCO2貯留のメカニズムにおいて更なる究明及び環境へ対する影響を評価する手段としても活用できる。将来このポアスケールで得られた結果を従来のマクロモデル(貯留層シミュレーター)の結果と融合し、より正確且つ信頼性の高い情報をCO2地中貯留における安全評価に提供する。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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International Journal of Greenhouse Gas Control
巻: 49 ページ: 179-191
10.1016/j.ijggc.2016.03.006
Advances in Water Resources
巻: in press ページ: in press
10.1016/j.advwatres.2016.03.005