電子やニュートリノ等の素粒子は、左右を区別するカイラリティという性質をもつ。この性質のために、電子やニュートリノから構成される相対論的なプラズマでは、空気や金属等の通常の物質では起きないようなトポロジカル輸送現象を示す。例えば、通常の金属では、電場をかけると電流が流れるオームの法則がよく知られているが、右巻き電子のプラズマでは、磁場をかけると電流が流れるような現象が現れる。本研究では、このような新奇な輸送現象が、大質量星の最期である超新星爆発や、マグネターと呼ばれる「宇宙最強の磁石星」の起源に、本質的な役割を果たす可能性があることを明らかにした。
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