本研究は腹足類などの軟体動物の這行運動に見られる筋収縮による進行波パターンとその制御のメカニズムについて数理的な視点からの考察・提案を行うことが目的である。筋収縮と粘液の動的粘弾性を記述したバネ質点系数理モデルの数値解析により腹足類の這行運動に見られるDirect waveとRetrograde waveは、筋肉の収縮率をパタメータにして分岐現象が見られることが明らかとなった。また、這行運動の実現における摩擦制御が粘液か足上げかについて議論するために、制御理論に関する基礎的な数理モデルを構築しその解析を行った。
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