研究課題
平成27年度は、GarciaとStichtenothにより定義された2種類の代数曲線符号系列の符号化・復号化アルゴリズムの計算量を削減する研究を進めた。代数曲線符号には、グレブナー基底の理論と離散フーリエ変換を用いた符号化・復号化アルゴリズムを適用できることが知られている。特にGarciaとStichtenothによる符号系列に復号化アルゴリズムを適用するとき、符号を定義する代数曲線の変数を増やしていくと、誤り訂正可能数がDV限界と呼ばれる限界値に漸近的に近づくことが知られている。本研究では、GarciaとStichtenothによる代数曲線の零点を具体的に求め、零点の明示式を使って離散フーリエ変換の計算方法を改良した。これによって、既存手法では必要であった定義域の拡張と制限をする必要がなくなり、符号化・復号化の離散フーリエ変換に関わる部分の計算量が削減された。具体的には、有限体の要素数の平方根で計算量のオーダーを考えると、変数が1つ増えるごとにオーダーが1つ減る。また、本研究ではGarciaとStichtenothによる符号系列がMiuraの提案した代数曲線符号の一部であるかどうかも検証している。代数曲線符号の復号には変数の極位数の計算が必要であるが、具体的に極位数を求めることは難しい。しかし、考えている符号をMiuraの提案する符号として表すことが出来れば、極位数を計算しなければならない問題は解消される。平成27年度の研究で、GarciaとStichtenothによる2種類の符号系列のうち、1種類はMiuraの符号として表すことができた。現在は、残りの1種類についても、Miuraの符号として表す研究を進めている。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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IEICE TRANSACTIONS on Fundamentals of Electronics, Communications and Computer Sciences
巻: E99-A ページ: 733-741
10.1587/transfun.E99.A.733
http://www.math.sci.hokudai.ac.jp/~naka_n/index.html