活動銀河中心核におけるpc、sub-pcスケールの構造を、高空間分解能観測、特に近赤外及び中間赤外での干渉計を用いて明らかにすべく、研究を進めてきた。近赤外では2015年6月にCHARA干渉計(カリフォルニア)を用いて観測を行なった。残念ながら天候が悪く、非常に限られた時間しかドームを開けることができなかったが、一方で同時に得られたキャリブレーションデータをもとに、解析ソフトウェアの開発をさらに進めることができた。また、2016年の前期に新たな観測時間を確保することにも成功した。
近赤外130m基線のVLTI(チリ)においては、2016年1月に観測を再び実行。大気の状態がそれほど安定せず、限られた量のデータしか取ることができなかったが、新たな天体のデータをさらに取得し、さらに活動銀河核と同様に赤い較正星のデータを確保することができ、補償光学装置の与える影響の定量化を進める上で重要なデータを得ることができた。また、2016年7月に新たに観測時間を確保している。
中間赤外干渉計については、アーカイブにあるものも含めてこれまでに取得したデータを包括的に解析し、中心核構造サイズの光度依存性の定量化を進めることができた。また、中心核の回転軸の方向(偏光データなどから決まる)に対する、構造の伸びの方向の傾向についても解析を行なうことができた。これらについて、2015年9月にイギリスで行なわれた国際会議で招待講演を行なった。
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