本研究課題では、クロム化合物を中心とした層状結晶構造を有する物質群をターゲットに新超伝導体探索を行った。クロム化合物KxCrSe2(x = 0, 0.5)に着目し、キャリアドーピングおよび圧力印加による超伝導化を試みた。常圧で絶縁体的なK0.5CrSe2は圧力印加により電気抵抗は小さくなるが、10GPa以下では金属化しないことがわかった。また、超伝導化には至らないものの、CrSe2にLiインターカレーションによるキャリアドーピングが可能であることを見出した。加えて、層状構造を持つ超伝導体ZrP2-xSexについて詳細な物性測定および電子状態計算を行い、超伝導機構を明らかにした。
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