研究成果の概要 |
ピリジルカルバルデヒド部位とアミノフェノール部位を有する二官能性モノマーを新規に設計し、内側に向いたN,N,O三座キレート配位部位をもつ環状六量体を選択的に合成した。この大環状配位子の亜鉛六核錯体は、ジカルボン酸の中でも二分子のピメリン酸を選択的に認識し、希有な積層双曲放物面形状のホストゲスト錯体を形成した。カルボキシ基による亜鉛間の架橋、環状分子間でのフェノキシ酸素-亜鉛の配位結合、およびπ-π相互作用が構造形成に寄与していた。双曲放物面形状を持つこのユニークな分子は、複数の置換活性な金属中心を内孔に集積した環状錯体として、特異的分子認識・触媒反応場などへのさらなる応用が期待される。
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