本研究では,固体NMRを用いて,レニウム触媒による不均一系メタセシス反応の活性種の解明を行った.はじめに,種々の金属塩化物によって修飾されたγ-アルミナを用いてメチルトリオキソレニウム(MTO)触媒を調製し,1-オクテンのメタセシス反応で触媒の活性を評価した.その結果,MTOの活性化において最も効果が高いLewis酸はZnCl2であることを見出した.さらに,Lewis酸修飾によるメタセシス反応の活性種への影響について詳細に追求するべく,13C標識MTOを合成した.種々の担体に担持して13C CP-MAS NMRの測定を行ったところ,固体触媒上に存在するレニウム種の種々の化学構造を明らかにした.
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