研究課題
本研究は、磁性-誘電材料をナノ複相化および多層化して作製したマイクロ波アンテナの小型化・高性能化を実現することが目的である。SiO2を誘電挿入層として導入した小型スパイラル型アンテナを作製し、全形4mm×4mmの超小型化を実現した。近年の主要な通信帯域を含む2 -4 GHzにおいて、反射損失-10 db以下であることを見出し、この共振がアンテナを構成する微小LC回路の共振によるものであることを明らかにした。27年度は近距離の通信感度を評価するために、ネットワークアナライザからウェハプローブを用いて小型アンテナへ給電、電力検出を行う評価系を立ち上げた。これにより、30mmの距離に置かれた小型アンテナ間の伝送特性の評価が可能となり、GHz帯における電力伝送可能性を見出した。このアンテナは全形4mm×4mmの超小型であることに加えて、2 -4 GHzにおいてアンテナを構成する微小LC回路の共振をおこし、10 GHz帯にもアンテナの電気長における波長共振により伝送効率が増加するため、RFICなどへの応用が期待される。一方で、異種材料を交互成膜することが可能なタンデムスパッタ法を用いて、アンテナに応用に適した高抵抗・低損失なCoAlN-SiO2磁性-誘電ナノ複相膜を作製した。3 GHzまでの優れた軟磁気特性および誘電特性を見出した。すなわち、軟磁性グラニュラー相と誘電SiO2相を多層化することで膜面直方向の粒子の規則配列を制御することが可能であることを見出した。今後、磁気異方性を高めることによりさらに高い周波数帯で利用できる電気抵抗の高い膜の創製に向けて有用な知見が得られた。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Journal of Applied Physics
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Physics Procedia
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