研究課題/領域番号 |
26889012
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研究機関 | 茨城大学 |
研究代表者 |
長 真啓 茨城大学, 工学部, 助教 (30735105)
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研究期間 (年度) |
2014-08-29 – 2016-03-31
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キーワード | 磁気浮上モータ / 5軸制御 / 人工心臓 / 小児 / 小型化 / ダイナミクス解析 |
研究実績の概要 |
発生磁気支持力と回転トルクの理論計算および有限要素法三次元磁場解析を活用して小児用人工心臓のための5軸制御磁気浮上モータの小型化設計を行った.磁気浮上モータの目標サイズを米国で研究開発されている機械軸受式小児用人工心臓(Jarvik2000 pediatric)の体積15 cc以下とした.既開発5軸制御磁気浮上モータの磁気支持力と回転トルクの測定結果,磁気浮上回転時のロータ振動特性評価結果,血液ポンプ駆動時の流体力と浮上インペラ変動の評価結果をもとに,モータ発生磁気支持力と回転トルクの目標性能を①ロータ自重の3倍以上の荷重を全自由度において支持できること,②4 mNm以上の回転トルクを発生可能であることとした.有限要素法三次元磁場解析を用いて,ステータ突極6極,永久磁石極数4極,外径22 mm,全高33 mm,体積12 ccの5軸制御磁気浮上モータの磁気支持力,回転トルクを推定した.小型化設計した5軸制御磁気浮上モータは磁気支持力,回転トルクの目標性能を十分に満足し,既開発磁気浮上モータと同程度の動特性を有することを示唆した.磁場解析結果をもと世界最小の5軸制御磁気浮上モータ実機を製作し,現在,磁気支持力と回転トルク発生性能評価,磁気浮上回転特性評価を行っている.本研究により得た成果を日本機械学会機械力学部門大会(Dynamics and Design conference 2014),磁気軸受の国際会議(International Symposium on Magnetic Bearings),回転血液ポンプの国際会議(International Society for Rotary Blood Pump),日本人工臓器学会年次大会にて発表した.次年度は,浮上ロータの運動モデルを用いて動特性を評価し,遠心血液ポンプを製作して世界最小の小児用磁気浮上人工心臓の評価を行う.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
交付申請書における平成26年度の研究計画では,5軸制御磁気浮上モータの構造最適化,浮上ロータ運動方程式のパラメータ推定,浮上ロータ運動方程式の導出とダイナミクス解析,ダイナミクス検証用試験機製作と実機を用いたダイナミクス解析検証を研究項目としている.申請者は,既開発5軸制御磁気浮上モータを用いた小児用人工心臓試験機を用いて空気中モータ駆動時およびポンプ駆動時における浮上ロータ姿勢の解析と動特性評価を行った.本結果を反映させつつ,磁気浮上モータの発生磁気支持力と回転トルクの理論計算および有限要素法三次元磁場解析を用いて,モータ突極数,永久磁石極数,モータ幾何学形状の最適化を行い,外径22 mm,全高33 mm,体積12 ccの世界最小の5軸制御磁気浮上モータを設計,製作した.研究予算の都合上,ダイナミクス解析検証用試験機を製作することが困難であったため,既開発の小児用人工心臓試験機を用いてダイナミクス解析を行った.本点は計画と異なるが,おおむね申請書の計画に沿って研究を遂行できたものと考える.また,本年度得られた結果を分野の異なる様々な国内外の学会で発表するのと併せて,査読付き論文として投稿中であり,期待通りの研究の進展があったものと考える.
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今後の研究の推進方策 |
平成26年度に小型化設計,製作した5軸制御磁気浮上モータの磁気支持力と回転トルク発生性能評価および磁気浮上回転性能評価を行う.磁気浮上回転時の浮上ロータの姿勢計測および振動特性評価を行い,世界最小の5軸制御磁気浮上モータの有効性を実証する.磁気浮上モータの性能評価と合わせて,数値流体解析を用いて外乱流体力の小さな小児用人工心臓用遠心血液ポンプを設計,製作する.最終的に5軸制御磁気浮上モータと遠心血液ポンプを組み合わせて,磁気支持回転性能および小児用人工心臓のポンプ性能を評価し,世界最小の磁気浮上型小児用人工心臓を実現する. 平成27年度の研究成果を米国人工臓器学会(American Society for Artificial Internal Organs),日本人工臓器学会,回転血液ポンプの国際会議(ISRBP)電磁気・機械の国際会議(International Symposium on Applied Electronics and Mechanics),電磁力関連のシンポジウム(SEAD)にて発表する予定である.また,5軸制御磁気浮上モータの性能評価について査読付き投稿論文として成果を発信する予定である.
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